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社長賞がマンネリ化していませんか?「サイクリックな特性」を活かして組織のPDCAを回す方法

「今年もまた、あの季節が来たか......」

社長賞や年間表彰の時期が近づくと、事務局からはため息が漏れ、現場の社員からは「どうせまたあの部署の誰かが受賞するんでしょ」という冷めた声が聞こえてくる──。

もし貴社の表彰制度が、このような「マンネリ化(形骸化)」の状態に陥っているとしたら、それは非常にもったいないことです。

本来、社内表彰は組織のモチベーションを高める起爆剤になるはずです。
しかし、多くの企業で「単発のイベント」として処理されてしまい、そのポテンシャルを活かしきれていません。

実は、表彰制度には、研修や特命プロジェクトにはない独自の強みがあります。それが「サイクリック(周期的)な特性」です。
この特性を理解し、表彰制度を「イベント」から「PDCAを回すマネジメントツール」へと転換させることで、組織は驚くほど活性化します。

本記事では、多くの企業が陥るマンネリの原因を解き明かし、表彰制度を使って組織の「実行力」と「革新力」を継続的に高めていくための運用手法を解説します。

なぜ多くの社長賞は「形骸化(マンネリ)」してしまうのか?

そもそも、なぜ社長賞はマンネリ化してしまうのでしょうか。
最大の原因は、思考停止による「前年踏襲」にあります。これを私たちは「セレモニー型」の運用と呼んでいます。

「セレモニー型」の弊害

多くの企業では、表彰制度が導入された当初の目的が忘れ去られ、表彰すること自体が目的化しています。
「例年通り、この時期に、この基準で、この部門から選ぶ」という固定的な運用が何年も続いた結果、形式的な色が定着し、本来の経営目的と乖離してしまうのです。

経営メッセージとのズレが「シラけ」を生む

例えば、経営陣が中期経営計画で「失敗を恐れずに挑戦しよう!」と叫んでいるのに、社長賞の基準が「ミスなく業務を遂行した人」のままだとしたらどうでしょうか。
社員は「結局、会社は保守的な人を評価するんだな」と感じ、経営メッセージへの不信感を募らせます。

このように、事業戦略や環境変化に合わせて表彰基準がアップデートされていないことが、現場の「シラけムード」や「出来レース感」を生む根本原因なのです。

組織変革の武器となる「サイクリックな特性」とは

では、どうすればマンネリを打破できるのでしょうか。
その鍵となるのが、表彰制度が持つ「サイクリック(周期的)な特性」です。

組織変革のための施策には様々なものがありますが、例えば「管理職研修」や「風土改革プロジェクト」の多くは、単発的あるいは不定期な施策になりがちです。

一方で、表彰制度(アワード)は違います。四半期ごと、あるいは1年ごとに、必ず決まったサイクルで訪れます。

定期的に訪れるからこそ「定点観測」ができる

この「周期性」は、経営にとって強力な武器になります。
毎年必ず実施されるからこそ、環境変化に左右されることなく体制を構築しやすく、前年との比較(定点観測)が容易になるからです。

このように、表彰制度を組織のコンディションを測る「定期検診」のような機会として捉え直すことが、戦略的運用の第一歩です。

「イベント」から「マネジメント」へ。表彰で回すPDCAサイクル

表彰制度を「年に一度のお祭り」で終わらせず、組織を進化させる「マネジメントツール」として機能させるためには、制度自体でPDCAサイクルを回す必要があります。

具体的にどのようなステップで運用すべきか、見ていきましょう。

【Plan】今年の経営課題に合わせて「褒める基準」をチューニングする

まず「Plan(計画)」の段階で最も重要なのは、「今年は誰を、何を褒めるべきか」というコンセプトの再設定です。

経営環境や事業戦略は刻々と変化しています。であれば、表彰制度もそれに合わせて動的に変化させる「メッセージ重視型」の運用へ切り替えるべきです。

例えば、中期経営計画で「新規事業の創出」がテーマになった年は、思い切って「既存事業の業績賞」の枠を減らし、「新規事業への挑戦賞(失敗含む)」を新設するといったチューニングも検討すべきです。

前年のレギュレーションをコピー&ペーストするのではなく、「今年の経営メッセージを体現するのはどんな行動か」を定義し直すことから始めましょう。

【Do/Check】「応募数」や「参加率」を組織のバロメーターにする

次に「Do(実行)」と「Check(評価)」です。

ここでは、表彰式の「盛り上がり」といった定性的な感想だけでなく、定量的な数値で効果を測定することが重要です。

これらの数値を「KPI」として設定し、前年と比較します。

もし応募数が減っているなら、告知不足なのか、あるいは現場が疲弊していて「挑戦どころではない」というサインなのか。数値を指標にすることで、組織の現状を客観的に把握し、次なる手を打つことができます。

【Action】マンネリを防ぐための「マイナーチェンジ」を恐れない

最後に「Action(改善)」です。

アンケート結果や測定した数値を基に、次回の制度設計をブラッシュアップします。ここで重要なのは、「変えることを恐れない」ことです。

毎年同じ人が受賞していたり、形式が固定化すると、制度は徐々に求心力を失います。

「今年は選考プロセスに従業員投票を入れてみよう」「演出をオンライン中心に切り替えてみよう」といったマイナーチェンジを繰り返すことこそが、制度の鮮度(フレッシュさ)を保ち、マンネリを防ぐ方法です。

【事例】PDCAで進化し続ける企業の戦略的アワード

実際に、環境変化や経営課題に合わせて表彰制度を進化(変化)させ、成果を上げている企業の事例を紹介します。

日立製作所:コロナ禍を機に「グローバル×オンライン」へ大転換

日立製作所は、コロナ禍という環境変化を受け、表彰制度「Inspiration of the Year Global Award」を大きく刷新しました。

従来の「受賞者だけが集まる式典」から、「全社員が参加できるオンラインイベント」へと形式を変更。さらに、当時の世界情勢を反映し、「パンデミック対応」などの社会貢献活動も評価対象に追加しました。

その結果、参加者アンケートで96%が「満足」と回答し、グループアイデンティティへの共感度97%を達成するなど、高い成果を上げています。

日清食品ホールディングス:マンネリ打破へ「従業員投票」を導入

日清食品ホールディングスの「NISSIN CREATORS AWARD」では、表彰式を単なる結果発表で終わらせず、全社員を巻き込むために制度を進化させました。

優秀賞の中から、全従業員の投票で選ぶ「従業員特別賞」を新設。これにより、社員は「観客」から「審査員(当事者)」へと立場が変わり、アワード全体の自分ごと化が加速しました。

まとめ:表彰制度は「生き物」。毎年のメンテナンスが組織を強くする

表彰制度は、一度作れば終わりという「静的な制度」ではありません。組織の状態や経営の方針に合わせて成長・変化し続ける「生き物」です。
「去年と同じでいいや」という思考停止が、組織のマンネリ化を招きます。

逆に言えば、経営と人事がタッグを組み、この「サイクリックな特性」を活かして毎年PDCAを回し続けること自体が、変化に強い柔軟な組織文化を作ることにつながります。

まずは今年の社長賞から、「前年踏襲」をやめてみませんか?

「今年の経営課題に照らして、本当に褒めるべきは誰か?」

その問い直しから、組織の新しいサイクルが回り始めます。

リンクソシュールでは以下のようなセミナーを開催するとともに、個別での支援事例紹介も行っております。是非お気軽にご相談ください。

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